越境ECとは?その魅力と日本企業が取り組むべき理由
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近年、国際的なオンライン取引の増加に伴い、「越境EC」という言葉を耳にすることが増えました。しかし、具体的に越境ECとは何なのか、その魅力や日本企業が取り組むべき理由は何なのかを詳しく知る人はまだ少ないかもしれません。この記事では、越境ECの基本的な概念から、その魅力や取り組むべき理由までを解説します。
1. 越境ECとは?
越境EC(Cross-border Electronic Commerce)とは、文字通り国境を越えて行われる電子商取引のことを指します。具体的には、ある国の企業や個人が、別の国の消費者に向けて商品やサービスをオンライン上で販売する取引を指します。これにより、物理的な店舗を持たなくても、世界中の消費者に自社の商品やサービスを提供することが可能となります。
2. 越境ECの魅力
- 市場の拡大: 越境ECを取り入れることで、国内市場だけでなく、世界中の巨大な市場をターゲットとすることができます。日本国内だけを対象とした市場規模よりも世界の消費者に目をむける事で対象となる顧客数が数十倍に増加します。
- 多様なニーズの獲得: 異なる文化や価値観を持つ消費者からのフィードバックを得ることで、新たな商品開発やサービス改善のヒントを得ることができます。海外では意外なものが売れたり、文化的、生活面などの背景から今まで気づかなかった需要があったりします。
- 競争力の向上: 国際的な市場での取引を経験することで、企業のブランド力や競争力が向上します。例えば、越境ECで商品の人気が出て、現地ディストリビューターとの大口取引が開始されたりというような事例もあります。
2021 年時点の世界の越境EC 市場規模の推計値と 2030 年の予測値である。2021 年の世界の越境 EC 市場規模は7,850 億 US ドルと推計され、その値は 2030 年には 7 兆 9,380 億 US ドルにまで拡大する
と予測されている。その間の年平均成長率は約 26.2%と推計されており、越境 EC の市場規模は拡大し続けていくと見られている。
経済産業省:令和4年度電子商取引に関する市場調査報告書より
3. 日本企業が越境ECに取り組むべき理由
- 日本製品の高い評価: 世界中で日本製品は高品質であるとの評価が高く、特にアジア諸国では「日本ブランド」が非常に人気です。特に日本の中古品は世界でも状態が良いと評価されており、人気があります。インバウンドで日本の中古品が爆買いされているニュースもよく見ますね。
- 技術力の活用: 日本企業は技術力が高く、これを活用して独自の商品やサービスを世界中の消費者に提供することができます。海外市場では、
- 新たな市場の開拓: 国内市場が縮小する中、新たな成長市場を求める動きが強まっています。越境ECはその最適な手段となり得ます。
- 円安の進行と海外諸国の中間所得層の所得向上:円安が進行している事で相対的に日本製品の海外での価格競争力は高まっていることに加えて、東南アジアをはじめとした海外では中間所得層が増加、所得額も上がり、スマホなどの浸透率も高い事から、購買意欲の高まりもあり、需要面と供給面で日本製品が海外で売れやすい状況になってきています。
4. まとめ
越境ECは、国境を越えて商品やサービスを販売する電子商取引の形態であり、市場の拡大や多様なニーズの獲得、競争力の向上などの魅力があります。日本企業にとっては、日本製品の高い評価や技術力の活用、新たな市場の開拓など、多くのチャンスが広がっています。
今後も越境ECの重要性は増していくでしょう。日本企業はこのチャンスを逃さず、積極的に取り組むべきです。国内から海外に挑戦して新たな売上を獲得しましょう!