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【関税】越境ECのサービス・プラットフォーム別の関税の払い方

 

越境ECにおける関税とは

 

そもそも「関税」とは、国際貿易において商品が国境を越える際に課される税金です。
つまり海を超えて商品を売る越境ECにおいて、必ず発生する税金といえます。

 

そして関税においての「税率」は各国違う点が重要なポイントとなります。
また販売するプラットフォームごとにも関税に対する対応方法は異なってきます。

 

この記事では越境ECにおける主要国の関税体系と税率、各プラットフォームごとの関税対応方法、関税トラブルを回避するためのポイントについてまとめておりますので、ぜひ最後まで御覧ください。

 

税率の確認方法 国別の関税体系と特徴

 

■中国

 

まず中国の関税は前提として、輸入元の「国や地域」を基準とした下記輸入関税の体系が存在します。

 

名前 説明
最恵国税率 WTO加盟国や、中国が関税互恵協定を締結している国からの輸入品に適用される税率。これは、中国が国際貿易において他国と公平な条件で取引を行うために設定されている。
暫定税率 一時的に設定される税率で、特定の商品に対して最恵国税率よりも低い方の税率が適用される。これは、国内市場の需要や供給のバランスを調整するために用いられる。
協定税率 中国が特定の国や地域と結んだ貿易協定に基づき設定される税率で、これにより特定の商品が優遇税率の対象となることがある。
特恵税率 途上国など、特定の国に適用されるより低い税率。これは、中国が経済発展の段階にある国々を支援するために設定されている。
普通税率 最恵国税率、暫定税率、協定税率、特恵税率のいずれにも該当しない国や地域からの輸入品に適応される税率。

参考サイト:JETRO 「中国 関税制度関税体系」

 

さらに中国の関税は「行郵税」と「電商総合税」があります。

 

 

行郵税 各商品の税率は下記のとおり

税目番号 行郵税税率 対象商品
1 13% 書籍・新聞、刊行物、教育用映像資料、パソコン、デジタルカメラなどのIT機器、食品、飲料、金銀、家具、玩具、ゲーム、季節行事用またはその他娯楽用品、薬品
2 20% スポーツ用品(ゴルフボール及びゴルフ用品を除く)、釣り用具、紡績品及びその製品、テレビカメラ及びその他電気機器、自転車、税目1及び税目3に含まれないその他の商品
3 50% たばこ、酒、高級アクセサリー及びジュエリー・宝石、ゴルフボール及びゴルフ用品、高級腕時計、高級化粧品

参考サイト:JETRO「行郵税の改定」

 

越境 EC 総合税

 

各品目ごとの越境 EC 総合税は下記となります。

出典:JETRO 「中国IC市場と活用方法」

これらの情報等を参考に対象商品の税率を調べます。

 

■韓国

 

まず韓国における関税体系は下記5種類が存在します。

名前 説明
基本関税 これは最も一般的な関税で、韓国が他国との間で特別な貿易協定を結んでいない場合に適用されます。
優遇関税 韓国が自由貿易協定(FTA)などの二国間または多国間貿易協定を結んでいる国からの輸入品に適用される低い税率です。これにより、協定国からの輸入品はより低い関税率の恩恵を受けられます。
特恵関税 発展途上国からの輸入品に適用される、さらに低い税率です。これは、経済発展が遅れている国々を支援するために設けられています。
反ダンピング関税 特定の商品が市場価格を下回る価格で輸入され、国内産業に損害を与える可能性がある場合に適用されます。この関税は、不公正な貿易慣行を防ぐために課されます。
相殺関税 輸入品が輸出国で補助金を受けている場合に適用される関税で、補助金による不公正な競争を防ぐ目的があります。

また、韓国の主な関税は以下3種類となります。

 

 

参考サイト:JETRO 「韓国 関税制度」 

 

上記の関税より、目的に応じて「財政関税」と「保護関税」、根拠によって「国定関税」と「協定関税」に分類されます。また、課税方法には、価格に基づく「従価税」、数量に基づく「従量税」、両者を組み合わせた「混合税」があり、これにより課税基準が価格または数量で設定されます。

 

関税率の調べ方

 

韓国の関税率を調べる方法には、「World Tariff」、「RULES OF ORIGIN FACILITATOR」、「税関でHSコードを調べる」方法があります。これらのツールを利用することで、韓国の関税率や関税関連情報を簡単に調べられます。

 

1.World Tariffを利用する

2.RULES OF ORIGIN FACILITATORを利用する

3.韓国の税関などでHSコードを調べる

 

1.World Tariffを利用する

 

「WorldTariff」とは、FedEx Trade Networks社による関税率情報データベースで、世界約175カ国の関税率を検索できます。日本在住であれば、JETRO経由で登録することにより無料で利用できますので下記リンクをご参照ください。
※JETRO経由以外で登録すると有料となってしまうためご注意ください。

JETRO 世界各国の関税率(WorldTariff)

 

 

2. RULES OF ORIGIN FACILITATORを利用する

出典:RULES OF ORIGIN FACILITATOR

 

「RULES OF ORIGIN FACILITATOR」は、WTO、ITC、WCOが作ったオンラインツールです。

このツールは、商品がどの国から来たかを示す「原産地規則」に関する情報を提供します。

これにより、特に小さな会社が、商品が特定の貿易協定に基づいて税金の優遇を受けられるかどうかを簡単に調べられます。小さな会社が世界市場にアクセスしやすくすることをコンセプトに作られたツールとなります。

 

「RULES OF ORIGIN FACILITATOR」

 

3. 韓国の税関などでHSコードを調べる

 

HSコードは、国際的に統一された商品分類システムです。世界関税機関によって管理されています。
商品の種類などを表す6桁から8桁までの数字で構成されており、世界中のほとんどの国が輸入や輸出の際にこのシステムを採用しています。

出典:日本商工会議所

 

HSコードにより、輸出入商品を分類し、そのコードから関税率や原産地規則を確認できます。

 

◎日本関税協会の「Web輸出統計品目表」

 

日本のHSコードを調べる場合は日本関税協会の「Web輸出統計品目表」を参考に調べます。

https://www.kanzei.or.jp/statistical/expstatis/headline/hs1dig/j#hs1dig03

 

◎韓国関税庁HP

 

韓国のHSコードを調べる場合は韓国関税庁HPを参考に調べます。

https://unipass.customs.go.kr/clip/index.do

 

■台湾

 

台湾の関税体系は、「カラム1」「カラム2」「カラム3」に分類されます。

名前 説明
カラム1 WTO加盟国や、台湾と締結を結んでいる国が対象で、最も優遇された税率が適用される。
カラム2 特定開発途上国、及び自由貿易協定を締結している国や地域が対象となる。
カラム3 それ以外の国や地域が対象となる。

 

日本と台湾は、互恵待遇関係のため、カラム1となります。

台湾の関税は、各国でも用いられている従価税、従量税、併用型の課税方法が採用され、台湾の税関輸入税則に基づいて徴収されます。

関税率の調べ方: 台湾の関税率を調べる方法には、「World Tariff」「RULES OF ORIGIN FACILITATOR」「税関でHSコード、CCCコードを調べる方法」があります。

これらのツールを利用することで、台湾の関税率や関税関連情報を簡単に調べられます。

 

1.World Tariffを利用する

2.RULES OF ORIGIN FACILITATORを利用する

3.台湾の税関などのサイトでHSコードを調べる

 

1.World Tariffを利用する

 

「WorldTariff」とは、FedEx Trade Networks社による関税率情報データベースで、世界約175カ国の関税率を検索できます。日本在住であれば、下記JETROサイト経由で登録することにより無料で利用できます。
※JETRO経由以外で登録すると有料となってしまうためご注意ください。

JETRO 世界各国の関税率(WorldTariff)

 

 

2. RULES OF ORIGIN FACILITATORを利用する

出典:RULES OF ORIGIN FACILITATOR

 

「RULES OF ORIGIN FACILITATOR」は、WTO、ITC、WCOが作ったオンラインツールです。このツールは、商品がどの国から来たかを示す「原産地規則」に関する情報を提供します。これにより、特に小さな会社が、商品が特定の貿易協定に基づいて税金の優遇を受けられるかどうかを簡単に調べられます。小さな会社が世界市場にアクセスしやすくすることをコンセプトに作られたツールとなります。

 

「RULES OF ORIGIN FACILITATOR」

 

3. 台湾の税関などでHSコード、CCCコードを調べる

 

HSコードは、国際的に統一された商品分類システムです。世界関税機関によって管理されています。
商品の種類などを表す6桁から8桁までの数字で構成されており、世界中のほとんどの国が輸入や輸出の際にこのシステムを採用しています。

 

出典:日本商工会議所

 

HSコードに加えて、更に台湾ではすべての輸入物品には「CCCコード」という11桁の商品分類番号が割り当てられており、このコードを使用して対象品を識別します。

CCCコードの最初の6桁はHSコードと同一です。台湾での関税率を調べる際は、まず製品のHSコードを確認し、それを基にCCCコードを特定して関税率を検索します。

 

◎日本関税協会の「Web輸出統計品目表」

 

https://www.kanzei.or.jp/statistical/expstatis/headline/hs1dig/j#hs1dig03

こちらで日本側のHSコードを調べます。

 

◎経済部国際貿易局:物品輸出入規定検索

 

https://fbfh.trade.gov.tw/fh/ap/queryCCCRegFormf_e.do

こちらで台湾のHSコード及びCCCコードを調べます。

 

■アメリカ

 

アメリカの関税は大きく分けて「一般税率」「特別税率」「法定税率」の3つに分類されます。

名前 説明
一般税率 一般税率は、主にNTR諸国向けた税率。NTR諸国とは正常貿易関係にある国が対象で、日本も適用対象となっている。
特別税率 特別税率とは、特恵措置が取られる国や商品に対して課される税率で、特恵税率や一般特恵関税などが対象となる。
法定税率 アメリカにおける法定税率は、主に共産圏諸国向けの税率となり、キューバと北朝鮮の2カ国に現在適用されている。

 

アメリカの関税率を調べるには、下記サイト(アメリカ国際貿易委員会)で確認できます。

 

◎HTSコード一覧(アメリカ国際貿易委員会)

 

まず下記HTSコード一覧で必要な商品コードを調べます。

https://hts.usitc.gov/current

上記サイトで必要な商品コードを調べたら、そのコードにて以下のサイトで関税率を検索します。

 

◎USITC(アメリカ関税率表)

https://dataweb.usitc.gov/tariff/database

 

プラットフォームごとの関税対応方法

 

■Shopify(ショッピファイ)

出典:Shopify

 

Shopifyでは、本来チェックアウト時に関税と輸入税を自動計算して徴収する機能がありますが、日本では利用できません。

そのため、日本のストアが関税を徴収するためには、下記2つの方法があります。

 

 

外部アプリの利用

Shopify関税アプリなどがあるようです。しかし外部アプリに関してはShopify公認ではありません。

 

Zonos Duty and Tax

出典:Zonos Duty and Tax

 

一方Global-eは、唯一のShopify公認越境ECサービスです。Shopify専用のアプリもあるため、こちらのほうがより信頼性が高く安心です。

 

出典:Global-e

 

「Global-e」は、越境EC事業をサポートするプラットフォームで、多言語対応、地域別価格設定、税関・関税計算、国際配送、現地通貨での支払い処理など、グローバルな顧客に合わせたサービスを提供しています。

 

■Amazon(アマゾン)

出典:Amazon cn

 

Amazonでは、Amazonグローバル海外配送対応国なら、注文のタイミングで関税を含めた見積もりができ、商品代金と合わせて、関税を先払いすることが可能です。

 

 

配送先の国、及び商品により例外はありますが、基本的に商品が届いた際に関税を請求されることを避けられるため、セラー、消費者共に安心です。

Amazonグローバル海外配送は、事前に支払った見積もり金額が実際の輸入費用を下回る場合、過払い分は自動的に返金されます。消費者にとって良心的なサービスといえるでしょう。

Amazonグローバル海外配送が適用されない国への配送では、「関税後払い配送」が適用され、商品到着時に関税の支払いが求められます。

 

■Shopee(ショッピー)

出典:Shopee

 

Shopeeの場合、日本から海外へ輸出された商品は、到着国の関税法に従って輸入手続きが執り行われます。
課税される金額は、注文内の課税対象商品の合計で、輸入関税の計算はCIF価格(商品価格、保険料、運賃の合計)に基づきます。

CIF合計が免税枠を超えると課税され、関税、税金、VAT、通関手数料などの費用が発生します。しかし、合計が関税対象額を下回る場合は免税扱いとなります。

 

出典:shopee Seller Education Hub 「各マーケットの関税対象額の一覧」

 

Shopeeにおける配送チャネルごとの関税等の支払方法は下記となります。

 

出典:shopee Seller Education Hub 「配送チャネルごとの関税等の支払方法」

 

また、関税対象額を下回った場合は、免税枠として扱われます。

 

関税の他に海外発送する際にかかる費用と、具体的な金額

 

■関税の他に海外発送する際にかかる費用は?

 

越境ECにおいて、海外発送をする際には関税以外にも様々な費用が発生します。

種類 説明
配送料 重量、サイズ、配送先の国によって変動。配送方法(エクスプレス、標準、エコノミー)による違い。
保険料 配送中の紛失や破損リスクをカバー。通常、商品価格の一定割合で設定。
梱包材料費 商品の種類や脆弱性に応じた梱包が必要。
取扱手数料 物流会社や通関業者によるサービス料。
VAT(付加価値税) 消費税に相当する税金で、多くの国で適用される。
商品価格に対して一定の割合で課税。
通関手数料 通関手続きに伴う手数料。国や商品によって異なる。

 

■直接中国の消費者に配送すると発生する行郵税はどのくらい?

 

個人利用目的として個人名義で直接日本から中国に配送した場合は、通常の関税に置き換わり行郵税が課せられます。

一般的に輸入関税よりも低い税率が設定されており、1注文あたりの上限は1,000元で、分割不可能な商品の場合は5,000元まで許容されます。税額が50元以下の場合、免税となります。

 

ここでは300元のおもちゃを一つ購入したとして算出してみます。

 

(2024年2月5日時点)
1人民元=20.69円

※1注文あたりの上限額は1注文:1000元(20,690円)です。

おもちゃを購入した場合税率は13%

 

300元(6,207円)のおもちゃを一つ購入したとして
300元×13%=39元(806円)

 

⇒39元が免税となります。

 

※この額が50元(1,034円)を超えると、全額が徴収されてしまいますので注意しましょう。

 

越境ECにおける日本の消費税は?

 

輸出税の免税

 

日本から海外への商品輸出時、その商品は消費税の免税対象となります。これは商品が海外で消費されるため、日本の消費税法の適用外になるからです。ただし、免税を受けるには輸出の証明書類が必要であり、税務署には課税売上高や仕入れ、輸出証明書などの提出が求められます。

 

納付済み消費税の還付

 

越境EC事業者が商品の仕入れや輸出に関連する費用に対して支払った消費税は、還付を受けることが可能です。
還付を受けるためには、事業者が「消費税課税事業者」であることが前提となり、適切な申請手続きを行う必要があるためこの点も注意が必要です。

 

越境ECで関税トラブルを回避するためのポイント

 

■購入者へ関税負担について明記する

 

越境ECでは、購入者が商品を輸入する際に、関税がかかります。しかし、実のところ消費者側は、関税をあまり意識していません。例えばamazonのようなショッピングモールの場合、基本的に国内のショップが多数を占める中で、海外の事業者が運営するショップも存在します。

その場合、消費者としてはそもそも「輸入品」であることすら気づかないかもしれません。
その場合、返品、受取拒否などのクレームに繋がる可能性があるため、関税がかかることをあらかじめECショップ内に明記しましょう。各商品の関税見込み額を加えて金額を表示するのも手です。

 

■各国の関税の税率を把握する

 

この記事では、各国で関税体系や税率が違うことをご紹介しました。また、関税は二国間において状況や情勢により変動します。
そのため、ターゲットとする国の関税率に関しては常に把握する必要があります。また、越境ECはターゲットにする国と深く関わることになります。ニュースなどで社会情勢を把握しておくことも大事ですね。

 

■付加価値税(VAT)に注意する

 

越境ECは、関税だけでなく、付加価値税(VAT)にも注意が必要です。
付加価値税(VAT)とは、物を購買する際に課される間接税で、日本でいうと消費税のような税金です。

 

VATが適用される国は全ての国ではありませんが、EUの全加盟国やアジアの多くの国々が含まれます。特にEUでは、すべての加盟国がVATを導入することが法律で定められており、アジアでは、シンガポール、台湾、タイ、フィリピン、マレーシア、ベトナム、インドネシアなど、多数の国でVATの徴収が義務づけられています。
これらの国で越境ECに取り組む際は、VATに対するしっかりとした理解が必要です。